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賃貸の更新料支払い義務は本当にある?契約内容の確認ポイントも紹介

用語集

賃貸契約の更新時に「更新料を支払うべきか」と悩んだことはありませんか。多くの方が疑問に思う更新料の支払い義務について、本記事では分かりやすく解説します。契約書の記載や法律上の取り扱い、地域ごとの相場や、更新料を支払わない場合のリスクまで幅広くご紹介します。更新手続きの前に知っておくと安心できる情報をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

更新料とは何かと支払い義務の有無

更新料とは、期間の定めのある賃貸借契約が満了した際に、借主(入居者)が貸主に対して支払う一時金のことです。法律上に支払い義務は定められておらず、あくまで「契約の自由」の原則に基づき、契約書による合意がある場合に限って成立します 。

賃貸借契約書に更新料に関する条項が一義的かつ具体的に記されている場合(例:「更新時には家賃1か月分を支払う」など)は、原則として有効とされ、支払い義務が発生します。ただし、その金額が賃料や更新期間に照らして明らかに高すぎるなど、特段の事情がある場合は無効となる可能性があります 。

一方、契約書に更新料について具体的な記載がない場合には、最高裁判例や弁護士による解説においても「更新料の支払い義務はない」とされています 。

このように、更新料の支払い義務の有無は、契約書に更新料についていつ・いくら支払うかが明確に定められているかどうかが重要なポイントとなります。

項目支払い義務の有無判断の根拠
契約書に具体的記載あり支払い義務ありが原則最高裁や法律相談で有効と判断
契約書に記載なし支払い義務なし合意がなく法律上の根拠もない
記載曖昧または高額争って無効になる可能性あり消費者契約法や判例により判断

法定更新と合意更新における更新料の取り扱いの違い

賃貸借契約における更新には、法律によって自動的に更新される「法定更新」と、貸主と借主の合意に基づいて更新する「合意更新」の二つがあります。法定更新は、借地借家法第26条の規定に基づき、契約期間満了後も借主がそのまま居住を継続すれば、正当な理由がない限り、貸主は更新を拒むことができず、契約が自動的に更新されます。

更新の種類 更新料の支払い義務 契約への記載内容の要点
法定更新 契約書に明記がなければ支払い義務なし 「法定更新でも更新料」など明確な特約が必要
合意更新 契約書に記載があれば支払い義務あり 支払額・時期・対象など具体的に記載

法定更新の場合、契約書に更新料についての合意がなければ、借主は更新料を支払う義務を負いません。これは、法律による更新であり、新たな合意が成立していないためです。さらに、消費者契約法上、借主に不利な特約は無効とされやすい点からも、基本的には支払い義務は発生しませんが、契約書に「法定更新の場合でも更新料を支払う」と具体的かつ一義的に記載されている場合には、例外的に支払い義務が認められます。

具体的には、契約書に「合意更新」「法定更新」の別を問わず、更新する場合には更新料を支払う旨が明示されていると、法定更新の際にも更新料の支払い義務が生じるという判例があります。また、契約書の文言が曖昧で、「更新」としか記載がない場合には、法定更新に含まれるとの解釈は困難となり、支払い義務を否定される可能性があります。

更新料の金額相場や地域差の実態

賃貸契約における更新料は家賃の1~2か月分が一般的な相場として広く知られています。例えば、国土交通省の「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によると、更新料を支払った世帯のうち「家賃1か月分」が66.4%と最も多く、「家賃1か月未満」も22.5%を占めており、相場の中心は家賃1か月分であることがうかがえます 。

さらに、多数の調査でも明らかなように、地域によって更新料の有無や金額には大きな差があります。以下は、主な都道府県ごとの更新料徴収割合と平均月数をまとめた表です(例:平成19年の国土交通省調査に基づくデータ):

都道府県更新料徴収の割合平均(月)
千葉県82.9%1.0ヶ月
東京都65.0%1.0ヶ月
大阪府0%

このように、神奈川県や千葉県では高い割合で更新料がありますが、大阪府や兵庫県ではほとんど徴収されない傾向があります。一方、京都府は例外的に徴収率が高く、平均1.4か月分と高額なケースもあります 。

また、最近では「更新料なし」の契約や物件も増えてきている傾向があります。例えば、更新料が不要であっても火災保険料や保証会社料、更新事務手数料などが別途必要となることがあるため、更新時の費用全体を総合的に検討することが重要です 。

更新料を支払わなかった場合のリスクと対応策

賃貸借契約書に更新料の支払い義務が明記されている場合、更新料を支払わないことは契約違反となり、契約解除や強制退去に至るリスクが生じます。「借地借家法」によって借主の権利は守られていますが、契約書で明確に同意している以上、支払いを怠れば不履行とみなされかねません。たとえば、契約書に記載されている更新料が合理的と認められる場合には、賃料と同様に支払義務があると判断されます。該当する契約解除の可能性も排除できません。 

一方、更新料があまりにも高額と感じられる場合には、支払いを争う余地があります。平成23年(2011年)7月15日に最高裁判所が示した判例では、「契約書に具体的に明記されており、更新料が賃料の数か月分(例:賃料2か月分など)程度で高額とは認められない場合には、有効と判断する」としています。一方で、極端に高額であれば消費者契約法に基づき無効と主張することも検討可能です。 

さらに、更新時には更新料以外にも費用が発生することがある点にも注意が必要です。具体的には、火災保険の更新料、更新事務手数料、保証会社を利用している場合の保証料などが挙げられます。例えば、家賃8万円の物件では、更新料8万円のほか、更新事務手数料(約4万円)、火災保険料(約2万円)がかかり、合計で約十四万円の支出となる場合もあります。こうした総額を考慮し、更新すべきか慎重に判断することが重要です。 

リスク・費用項目内容対応策
契約解除・強制退去更新料未払いが契約違反とみなされる契約書を確認し、支払いに備える
支払い拒否の判断更新料が高すぎる場合は争える可能性あり法的根拠(最高裁判例)をもとに交渉や相談を検討
その他の費用火災保険料、事務手数料、保証料など総額を把握して予算計画を立てる

更新の際には契約書にしっかり目を通し、更新料の金額が妥当か、その他の費用がどの程度かをあらかじめ把握しておくことが大切です。

まとめ

賃貸契約における更新料の支払いについては、「契約書に明記されているか」が最も重要なポイントです。契約書に具体的な記載があれば、更新料を支払う義務が発生しますが、明記がなければ基本的に義務はありません。また、法定更新と合意更新でも扱いが異なり、法定更新の場合も特約がなければ原則として支払いは不要です。更新料の金額や発生の有無は地域によって差があり、最近は「更新料なし」の契約も増えています。更新時には他の費用も合わせて全体を確認し、納得のいく形で契約更新を進めることが大切と言えるでしょう。

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