今まで、大型バイク駐輪可能や猫飼育可能など、なかなかお部屋探しが難しいケースを取り上げて参りました。今回は生活保護受給者の方のお部屋探しに関して実際にあった例を交えてご紹介させていただきます。
生活保護受給者のお部屋探しは難しいのか?に関して言うと、ケースによるという事なります。
ただ、管理会社によっては生活保護の方を入居審査で一律断っている場合や、定められた家賃上限内でお部屋を探す事になるのでお仕事されている方と比べると勿論難しいという事にはなります。
現場の肌感覚ですが、紹介できる物件の数はお仕事されている方の10%未満になるのでは?
めっちゃ難しいやん!となりますが、先ほど書きました様にケースによりますのでご安心下さい。
当社でもこれまで多くの生活保護受給者の方のお部屋探しをさせていただきました。
そんな中で比較的お部屋が探しやすかったケースや難しかったケースをご紹介させていただきます。
ケース① 20代男性単身
コロナによる失職、再就職先が見つからず今回初めて生活保護受給をするに至る。
引っ越し費用や賃貸契約初期費用は国がある程度負担してくれるので、自己負担は少なくて済みます。
この方は年齢も若く、親御さんが賃貸借契約の連帯保証人にもなっていただけると云う事で
比較的お部屋はすぐ見つかりました。
ケース② 60代男性単身
年金受給だけでは生活困難な状況で既に生活保護受給中。現在の住居の老朽化に伴い、引っ越し許可が出たためお部屋探しに至る。
今回も、ケース①同様、役所から引っ越し許可が出ているので初期費用の大部分は転居費用として国が負担。また、身内の方が賃貸借契約の連帯保証人になっていただけるという事で比較的希望のエリアでお部屋が見つかりました。
ケース③ 30代女性・子供さん1名
離婚により母子家庭となり保護受給が決定、小さな子供さんとお二人で入居のケース。
連帯保証人は年金受給の親御さんがなっていただける事に。
こちらも役所から引っ越し許可が出ているので費用は国負担となりました。
お二人入居可能でなおかつ、小さな子供さんの入居も認めて頂けるお部屋となると中々難しいですが
なんとか見つかりました。ただ、比較的探しやすかったのはエリアの指定が無かったからです。
例えば、○○学区内で!とういうエリア指定があると難易度は跳ね上がります。
比較的探しやすかったケースで共通するのは
①役所から転居の許可が出ている
②身内の連帯保証人がいる
③年齢が比較的若い
となるかと!
自治体によって異なる可能性はございますが、
京都市内ですと2021年現在、役所が許可した場合に転居費用のうち
敷金・礼金・火災保険・仲介手数料・保証会社保証料・荷物運送代などの費用を負担して貰えます。
勿論、負担上限は決まっておりますのでその範囲内で!と云う事になります。
また、家賃の上限も定められていますのでそれを超える家賃のお部屋を契約しても家賃補助を
受ける事ができないので注意が必要です。
次に、万一の場合を考えて連帯保証人が身内の方でいらっしゃるのは賃貸契約では有利です。勿論、家賃保証会社加入が必須の物件が多いので連帯保証人不要で契約可能なケースも増えておりますが、京都市内ではまだまだ家賃保証会社も連帯保証人も両方必要!という管理会社が多いのも事実。
中には、家賃は国が出すんだからある意味安定収入だから♪審査そんなに難しくないでしょ!という方もいらっしゃますが、ここでは書けない諸々でそんな事はありません!とだけ記載しておきます。
そして、年齢ですが、若ければ良いという事は勿論ありません。
ただ、あまりに高齢ですと家主や管理会社は室内での死亡リスクを考えるのでお部屋探しは難しくなります。超高齢化社会においてはまだまだ若いと思える年齢でも審査で断れる事はございます。
勿論、年齢が理由で入居を断る事は許されておりませんが、まだまだそういった家主さんや管理会社が多いのは事実です。具体的には70歳以上は難しいとなります。これは生活保護受給者に限った事ではありません。今後はそういったケースが減っていくことを願っております。
次に、難しかったケースをご紹介します。
現住居の騒音問題で転居希望、ただ、役所の引っ越し許可が出ておらず費用は全て自己負担。
また、連帯保証人を頼める方がいらっしゃらない状況。
賃貸業界において、転居理由が「騒音問題」は警戒されます。
本人が音に対して敏感なケースが多いからです。転居先でも同じように騒音問題でのトラブルになる可能性があると入居審査で断られます。また、本人も角部屋や鉄筋コンクリート造等マンションなど、騒音リスクが少ない物件を優先するパターンが多いので、より条件に合う物件は限られてきます。
また、生活保護受給中の方が自己負担で引っ越しをすには初期費用面が問題となります。希望にあうお部屋が見つかってもお金が足りなければ契約はできません。
更に連帯保証人が無いと難易度は上がります。
実際、この方の場合、何とか物件が見つかりましたが、半年後には新たな騒音問題発生で転居されて行きました。。
ケース② 30代女性・子供さん2名
離婚による転居、子供さんが小学生のため、現在の学校区内でのお部屋探し。
連帯保証人にはなれないが、緊急連絡先としてなら親御さんが対応可能。
通常であればそれほど大変では無いのですが、
学区指定は本当に難しいです。そもそも学区内で空いているお部屋が無い場合もあります。
学区内で生活保護の家賃上限額内で複数入居可能なお部屋に片っ端から交渉して唯一、1件だけ見つかりましてそちらをご契約いただきました。。。
ケース③ 30代女性単身
車椅子の方で、自立歩行はできない状況。親御さんが連帯保証人となり、役所の転居許可が出ているため費用は国負担。
女性のお一人暮らしのため、セキュリティ面を重視。また間取り的にも1DK以上が望ましいとの要望。
段差が少ない物件は高級家賃帯が多く、生活保護受給の上限で探すのは非常に困難でした。
せっかく見つかってもエレベーターが狭くと車椅子での乗車が難しく断念。。
また室内を車イスで移動となると室内が傷つく等の理由で管理会社断られるケースも。。。
何とか理解ある家主さんが見つかり、ご入居となりました。
ケース④ 50代男性単身
これは番外編の様なケースとなりますが、意外と多いケースです。
生活保護受給が決定していない状態でのお部屋探しでした。
詳しい状況としては、転居先が見つかって、入居してから
生活保護受給申請をして、その後に生活保護受給が正式決定になるというケースです。
勿論、費用は全て自己負担となります。
また、連帯保証人もいないという事でお部屋探しはかなり難航しました。
生活保護受給が確定していないため、家賃支払いの根拠が無い状態ですと
入居審査を通すのは困難です。家賃保証会社の入居審査で生活保護受給証明か保護決定通知書などの書面が必要になるからなのですが、それが無いと審査が進まず、審査が進まないと契約できません。
何とか条件付で入居を受けて下さる物件がありご入居頂けました。
後日、本人の保護受給が正式に決まりました~
難しいケースをまとめると
①トラブルを起こすと思われる
②そもそも希望条件に合う物件が少ない
③連帯保証人がいない
④役所の許可が出ていない
⑤生活保護受給が未定
これは何も生活保護受給の方に限った事ではありませんが、
トラブルが起きる可能性の高い入居者は断られます。
いかにそう思われないかが重要です。例えば、あまりに字が汚いと印象が良くないですよね?
入居審査の際の電話での受け答えなど等、、色んな要素が絡まってきます。
少しでもそう思われないように説明する事が大切になってきます。
また、希望条件を細かく指定すればするほどそれに合う物件は少なくなります。
上には書いてませんでしたが、生活保護受給の方で猫を5匹飼える物件をご希望の際は京都市内では見つからず、奈良県の山の中で1件だけ見つかりました。
優先事項を絞り、それ以外の条件を少し妥協する事でお部屋が見つかる事があります。
2階以上を希望してたが、実際内覧して防犯面で問題なさそうなら1階も候補に入れてみたり、
ペットを家族や友人にお譲りになる等、飼育頭数を減らす努力なども必要かもしれません。
また、学校に相談する事で学区外からも通学が認めらるケースもございました。
役所の許可が出ていない場合は資金面が問題となります。
敷金礼金ナシに絞って探したり、初期費用の分割をお願いしたり、少し期間をあけてお金を貯めてみたりの努力も必要になります。
受給が決まっていなければ、家賃支払いの根拠が無いため、頼み辛くても連帯保証人を身内やご友人にお願いする事が必要になるかもしれません。
困難なケースでも一つ一つ解決策を考え実行していけばより良いお部屋が見つかるハズです。
まだまだ色々なパターンがありますが、
いかがでしたでしょうか??少しでも参考になれば幸いです。
長く賃貸業界におりますと、色々なお客様のお部屋探しに携わります。
お部屋探しに行き詰ってらっしゃる方、解決策はございます。
まずは、プロに相談して頂く事です。
そのために我々がいるのです。
アズライフでは困難なケースにも対応できるスタッフがおりますので、
難しいかな?とお考えの方もまずはお気軽にお問合せ下さい。
お一人お一人のケースに合わせて精一杯対応させていただきます。
是非、お気軽お問合せ下さい。
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その他、生活保護受給の方に紹介可能な物件をまとめましたので
参考になれば幸いです。
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